モノリスとは

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モノリスとは

大型シリカモノリス

モノリスとはマイクロメートルオーダーの網目状の骨格が繋がった特徴的な構造をもつ一体型の多孔質体のことです。見た目はまるでチョークのようですが、電子顕微鏡で観察すると、ジャングルジムのような骨格が連なった構造をしています。

骨格の隙間をめぐるように、ミクロンスケールの貫通孔と呼ばれる孔(ポア)が無数に開いており、さらに骨格内にはナノスケールの細孔と呼ばれる孔が開いています。貫通孔と細孔は塞がることなく繋がっており、全容積の約85%が孔となる高い空隙率を誇ります。さらにはナノスケールの細孔が無数に存在することで高い比表面積を持ちます。

弊社にて製造する大型モノリスはシリカでできており、その純度は99.9%以上です。この二段階の異なるサイズを持つ貫通孔と細孔からなる共連続の多孔質体であるモノリスは、材質がシリカの場合、この二段階のポアの大きさは独立して制御可能で(貫通孔:0.1~50 µm、細孔:0~100 nm)、使用目的に応じてそれぞれの孔径を最適化できる特徴を持っています。

シリカモノリスは高い空隙率と比表面積を誇ることから、低圧でかつ高性能のフィルターや吸着カラムとして使用されています。たとえば細孔径を標的分子のサイズに応じて調整することで、除去したい分子サイズのみを除去するようなサイズ識別能力を持った高性能カラムになるなど、使用目的に応じて最適化させることが出来ます。

また、多くの液体を含むことができますので、薬効成分を含浸・吸着させたモノリスから薬剤をゆっくりと放出する材料としても使うことができます。

 

 


<<シリカモノリスの物性>>

構成成分 純シリカゲル
貫通孔径 0.150 µmで制御可能
細孔径 細孔なし または 2100 nmで制御可能
細孔容積 0.51.5 cm3/g
比表面積 5800 m2/g
空隙率 85%(貫通孔60% + 細孔25%
密度 0.28 g/cm3
耐熱温度 800
サイズ 最大直径100 mm×長さ200 mm

 
 

<<水銀圧入法によるポア分布測定例>>

水銀圧入法によるポア分布測定例

 

 

<<貫通孔径・細孔径・空隙率の制御可能範囲>>

貫通孔径・細孔径・空隙率の制御可能範囲

貫通孔径(through pore)・細孔径(small pore)・空隙率の相関図です。
制御可能範囲は斜線範囲内となります。
空隙率と細孔との相関はおおよそとなります。

 
 


<<大型シリカモノリスカラムについて>>

シリカモノリスの主な実用例として、背圧が非常に低い分析用高速液体クロマトグラフィー用カラム(HPLC用カラム)が既に販売されています。しかしながら、従来のモノリス合成技術は難易度が高く歩留まりが安定せず、数ミリリットルスケールでの合成にとどまっており、大型モノリスの用途展開は限定されていました。弊社ではシリカモノリスの製法を大幅に見直す事で1リットルスケールを超える大型化・量産化する製造技術を確立しました。また、独自技術により大型化による部分的な微細構造の乱れを極小化し、どの部位から切り出しても一定の性能を示す均質なモノリスを実現しました。

大型シリカモノリスシリカモノリスカラム

モノリスを効果的に使用するためには、ブロック状のモノリスにジャケットを着せてカラムを作成する必要がありますが、このカラム化技術の難易度の高さから、他の実用的使途への展開は著しく限定されていました。弊社ではモノリスの機械加工技術を見直す事でマイクロメートルオーダーでモノリスを精密加工に成功し、ステンレスジャケットを装備した独自の高耐圧カラム化技術を確立しました。これらの独自技術により、モノリスの大型化・カラムの高耐圧化を実現し、モノリス技術の幅広い用途展開が可能になりました。

 

 


<<HPLC用カラム分離例>>

オクタデシル化シリカモノリスによるペプチド・蛋白質分離例

オクタデシル化シリカモノリスによるペプチド・蛋白質分離
貫通孔径:1.7 µm 細孔径:3 nm
カラムサイズ: 83-3.8 mm i.d
Linear gradient of acetonitrile 5% to 60% (0.1% TFA) 0-5 min
Linear velocity: 2.0 mm/sec, Pressure drop: 4.0 MPa

シリカモノリスの貫通孔径・細孔径は共に独立して制御可能で、シリカモノリスカラムは小分子からペプチドやタンパク質といった巨大分子の分離まで優れた分離性能を発揮します。

 

 


<<その他応用例>>

高速液体クロマトグラフィー用カラム
低圧クロマトグラフィー用パックドカラム
吸着カラム
フィルター
徐放材
吸湿/調質材

~機械加工してオブジェにも利用できます~

 

 


<<シリカモノリスの微細構造>>

シリカモノリスの超高圧電子顕微鏡写真

シリカモノリスの網目状骨格は数ナノメートルの球状粒子が凝集して形成されています。細孔は凝集した球状粒子の間隙となります。

 

 


<<技術向上への取り組みについて>>

<品質確保> これまでの開発例で、高度管理医療機器である血液体外循環療法用カラムを開発し、医療版ISO 9001に相当するISO 13485およびCE マークを取得しました。ISOに則った製造方法を確立しており、品質が確保されたシリカモノリスを製造することができます。

<安全性の担保> シリカモノリスを侵襲用治療医療機器として開発を行った経緯から、生物学的評価の国際規格であるISO 10993に則した適合評価を受け、細胞毒性・血液適合性・化学的毒性といった点から安全性が確認されています。また、シリカモノリスは原材料として99.9%の水ガラスを使用するため、得られるシリカモノリスゲルの純度は相応するものであり、重金属などを一切含みません。

<耐久性> シリカモノリスは独特の網目状骨格により、熱的安定性・力学的強度・化学的安定性は非常に優れています。シリカモノリスは純シリカゲルであり800℃を超える高温に耐えます。また、材料強度としてHPLCで使用されるような数百キログラムの圧力下においても破壊することはありません。さらに有機溶剤や酸に耐える性質を示します。

 

 


<<参考文献>>

R. Miyamoto, Y. Ando, C. Kurusu, H. Bai, K. Nakanishi, M. Ippommatsu, J. Sep. Sci. 2013, 36(12):1890-1896

シリカモノリスは国立大学法人京都大学理学部の曾我直弘先生・中西和樹先生が発明された技術です.

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